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伊勢丹新宿店「サロン・デュ・ショコラ」初出店 2 ーアマゾンとわたしたちー


素晴らしい食材との出会いは、新たな発見と共にあります。野生種であるバルゼアカカオを使うようになり、アマゾンへ足を運びたいという想いが生まれました。念願が叶い、現地に滞在してみて実感したことがあります。バルゼアカカオは食材として優秀なだけでなく、その取り巻く環境や文化も非常に魅力があるということです。

その一つは、森林農業と呼ばれる、アグロフォレストリーです。アグロフォレストリーとは、森や自然と共存しながら行う農業の方法で、古くから自然と調和して暮らしてきた先住民が行う農法にヒントを得たといわれています。

ブラジル農業省により、効率性から普及している品種改良種カカオは、バルゼア(氾濫原)の土地に根付くことはできません。何千年もアマゾンの環境で生き延び、適応してきた野生種カカオの種の強さは、まさに生命のサイクルの賜物であり、人為的に、安易に生み出せるものではないのかもしれません。

また、アマゾンを語る上で、欠かせないのは先住民の存在です。彼らの多くは、世界が文明の発達と共に急速に自然から遠ざかり、そのつながりを失っていく中で、本来人間が何百年・何千年と自然と築いてきた関係を保ちながら暮らし続けています。国に保護されているなどの側面もありますが、彼らの自然と人間の立ち位置が同等であるという価値観がなせる賜物なのかもしれません。それは、自然に対して支配的な解釈を持つのではなく、自然も人間も、ともに全体の中の一部として機能しているという考えです。

私たちは、自然界と文明社会は対極に位置するものだと解釈しがちですが、自然というものも人間がいなければ成り立ちません。自然界と人間、生産活動と経済活動など、すべては相互扶助によって成り立っているもの。その本質は、私たちが考える食との向き合い方と通じるものがあります。

今回コラボレーションした「アマモス・アマゾン」は、アグロフォレストリーを生産者に普及し、カカオやさまざまな農作物に付加価値をつけて製品化し、販売することで森林を守りながら、現地の人々が経済的に自立できるよう手助けを行っています。このサイクルを成り立たせるためには、価値を理解し対価を払う消費者の存在が欠かせません。


「シンプルズ」は、基本的には地産地消を掲げています。静岡の地に水揚げされた鮮魚や新鮮な野菜を軸に、オリジナルの解釈を添えて一皿に仕立てています。なので、アマゾンから運ばれた食材を使うという行為は、矛盾するように思えるかもしれません。けれど、アグロフォレストリーにより森と人々の暮らしが守られるという循環を生み出すためには、有効な選択であると考えています。

何を選択するかにより、現地の人々の生活や自然環境を守る一助になること。そして、何よりもこの上ない美味しさがあること。食材の魅力と共に、そうした背景も伝えていけたらと思います。

時に、雪が降る東京での出店でした。お足元が悪い中、様々なお客様に足を運んでいただき、ありがとうございました。丁寧に寄り添っていただきました新宿伊勢丹担当の方々、生産者の方々を始め、関わっていただいた皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

普段は、静岡の地にて食と向き合う私たちにとって、違う環境下でお客様と関わるひと時は、この上ない勉強となりました。興味を持っていただいたことを励みに、また新たに「シンプルズ」ならではの一皿をお届けできるよう、精進していきます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/17edf47f71103f67fe6c77c2a832f3af84569a3e?page=1

Yahoo!ニュースにて、掲載されました。
是非、ご覧ください。

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