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2024.02.16
伊勢丹新宿店「サロン・デュ・ショコラ」初出店 1 ーコースで味わうアマゾンー
先日、伊勢丹新宿店にて行われたチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」
私たちは、PART3である「THE NEXT」-ショコラの多様性-に出店しました。
アマゾン食材を日本に紹介する「アマモス・アマゾン」とのコラボレーションによる参加でした。「アマモス・アマゾン」は、アマゾンの自然の恵みを通じて、地球も人も元気になる循環を生み出すことを理念に、先住民を含む現地の生産者と共に手を取り合いながら活動しているプロジェクトです。
私たちが、提供したのは「コースで味わうアマゾン」です。カカオの原産地であるアマゾンをテーマに、ブラジルの文化的背景や自然の雄大さを体感してもらえるよう、前菜からデザートに至る六品をご用意いたしました。
中でも、スペシャリティである「バルゼアカカオのアイスクリーム」は多くの方々に「こんなカカオは初めて食べた」と、ご感想をいただきました。フランスの国家最優秀職人賞M.O.Fの方々からもお褒めの言葉をいただき、大変感動的でした。
出店のきっかけは、バルゼアカカオとの出会いです。バルゼアとは、雨季にアマゾン川の水位が上がる際に浸水する地域(氾濫原)のことです。広大なアマゾンでも5%にも満たない、希少なこの地域にしか育たない野生種のカカオを、バルゼアカカオと呼んでいます。何千年も続く自然界の循環の中で、川が氾濫し、アンデス山脈からそそぐ豊かな栄養を土地に運んでゆく。そんな壮大な自然システムが育むアマゾンの環境下で、生息しているカカオなのです。
その魅力は、なんといっても純度の高さ。ナッツを彷彿させる、からりとしたカカオを噛めば、想像以上にやわらかな歯ごたえに驚きます。従来のカカオニブのじゃりじゃりとした食感をイメージしていましたが、驚くほどソフトな歯ごたえだったのです。
一粒にぎゅっととじこめられた濃厚な風味と鼻から抜ける香りは、他のカカオとは一線を画するもの。そして、ひとつまみの砂糖をふりかけ、共に食せば、とてもピュアなチョコレートの輪郭が現れます。
純度の高い食材には、素晴らしい体験があります。けれど、大量生産に重きを置いた現代では、そんな食材自体が貴重なものとなりました。
私たちが大切にしている「シンプル」であることは、純度の高い食材を扱うこと、自然の中の一部であることなどがあげられます。純度が高いものは、ごまかす必要がありません。素材そのものに雑味が多い場合、その雑味を中和させることが必要になります。例えば、カカオならば過度に砂糖を入れる乳製品やフルーツで伸ばすという過程が必要になってくるのです。
そして、現代はそういったものが多いのが実情です。
伊勢丹新宿店「サロン・デュ・ショコラ」初出店 2へ続きます。